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老いらくの恋ってなに?

人は矛盾した感情を抱くものです。ほとんどの人が平穏無事を祈ります。 お金の苦労もなく、できれば経済的に豊かで、健康で、誰とも仲良く毎日を楽しく過ごしたい。苦労は辛くてイヤなもの、と考えます。一方で、相反する感情として、 波乱万丈に憧れる気持ちも持っています。

ドラマチックな人生を送りたいと思うのなら…

多くの人が、映画やドラマのドラマチックな展開に憧れます。少し前にはやった韓国ドラマの「冬のソナタ」。惹かれあう男女が、運命のいたずらで引き裂かれ、 主人公の男性は死んでしまいます。失意の女性は別の男性と婚約をしますが、そこに現れたのは昔の恋人とそっくりな男性。女心は揺れ動き乱れます…。

ヨン様ファンのおばさまたちは、「こんな恋愛をしてみたい」と憧れますが、実際に経験したらどうなるでしょう?「結ばれる直前に好きな人が死んでしまう」などという不幸に、 耐えられるでしょうか?フィアンセがいるのに、昔の恋人とそっくりな人が現れたら、心の迷いから脱出できるでしょうか?

「ドラマチック」な人生とは、実はとてもシビアなものです。逆にいえば、恋い焦がれて胸を痛めたり、不幸な出来事や悲しい事件で苦しんだりすることこそが、 ドラマチックで豊かな人生だとも言えるのではないでしょうか?人生は、波があるからこそ楽しくなるものです。歳をとって、恋愛もセックスもなくなった人生は、楽しいでしょうか?

老いらくの恋のすばらしさ

1882年生まれの川田順さんは、東京帝国大学を卒業して、日本最大の財閥「住友総本社」に入社します。エリートコースを歩み、 38才で本社の常務理事(今でいえば常務取締役)に就任。次期総理事(今なら社長、CEO)就任が決定的になりますが、「器ではない」と退職。 以前から趣味として続けていた短歌の世界に入ります。

すぐに、帝国芸術院賞を受賞するなど歌人としても活躍し、皇太子の作歌指導や歌会始の撰者を務めたりもします。 50代の後半で妻に先立たれ余生を歌の世界に捧げようと邁進しますが、60を過ぎたころに弟子の人妻と恋に落ちます。京大教授の妻俊子。年齢は27才も離れていましたが、 燃えるような恋に発展します。

ふたりの不倫は俊子の夫に知られることとなり一旦は別れますが、どうしても別れられません。37才の俊子は夫と離縁しフリーになりますが、 許されざる恋をした罪深さに悩んだ64才の川田順は、自殺を図ります。自殺は失敗に終わりますが、有名人の不倫による自殺未遂はマスコミによって取り上げられ、世間を騒がせました。

川田順の「墓場に近き老いらくの恋は怖るる何もなし」という詩の一節が使われて報道されたため、以降、 シニア世代の恋愛のことを「老いらくの恋」というようになりました。その後二人は結ばれ、川田順が亡くなるまで20年間幸せに暮らします。

シニアになっても、胸を熱くするような恋をしてみたいと思いませんか?